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孤独の住人
2002年11月30日
著者:なのはな
イラスト:なのはな

◆登場人物◆
* ナルシア *
本編の主人公。
未だに黄金の鍵を捨てた事を悔やんでいる。
* カイ*
本編での準主役。
自分を捨てたナルシアを憎んでいる。
* ギルダ *
ナルシアの事を一番心配している。
* ピエトロ *
本編の重要人物。
ナルシアの力になろうとがんばっている。
* ナレーション *
ごく普通のナレーション。

◆作品構成◆
1話読み切り

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孤独の住人
2002年11月30日
著者:なのはな
イラスト:なのはな

--- フローネルの森 ---
事の始まりは1通の手紙でした。
  「あら、今日は1通かしら。」
  「ナルシア、どうしたんだい。手紙・・おまえあてかい?」
  「えぇ、そうみたい・・・でも、差出人の名前がないわ?」
  「しかしなんだろね〜、差出人の名前がないなんて・・にしても・・お前に手紙がね・・・なんて書いてあったんだい。」
  「え、え〜っと・・・ナルシアへ・・・パーセラに午前10時、なるべく1人で来て・・・って。なんで1人なのかな・・・。」
  「なんか、怪しいねぇ、本当に行く気なのかい?」
  「えぇ、ちょっと心配だけど・・・行ってくるわ。」
(ちょっと不安だけど、そのままほっておけないわ。でも、ちょっと怖いな・・・そうだ!)
--- ポポロクロイス城 ---
  「え?僕が君に?」
  「えぇ、私に手紙、書いてない?ピエトロ王子。」
(やっぱり、気になるもの、差出人が誰なのか。)
  「えっ書いてないけど・・・僕なら、直接・・・会いに行くよ(////)」
  「そ、そうよねっ(////)ごめんね、ピエトロじゃ、じゃあ」
  「う、うん・・・ばいばい、ナルシア・・・僕でよければ力にっ・・・行っちゃった・・・」
  (ピエトロじゃない・・・じゃあ誰から??うーん・・・でも、あの手紙、なんだか見ていてとても・・悲しい・・・)
--- フローネルの森 ---
  「本当に、行くんだね、ナルシア。」
  「えぇ、行ってきます!」
(やっぱり、私は行く事にした、この先に何があっても・・・)
--- 港町パーセラ ---
  「ここでいいのかな・・・」
  謎の声
―おはよう、ナルシア・・・―

  「えっ?きゃ!」
「・・・?あれ、ここ、どこ?・・・、海!?でも、泡にならない・・・」
  謎の声
―ナルシア・・・久しぶりだね―

  「誰!?なんだかとても聞き覚えのある声・・・」
  謎の声
―今、誰・・っていったの・・・ふふっ、勝手に私を捨てといて・・・ひどいね…―

  「あなたは!カイ・・・どうして・・・?」
  「何がどうしてよ、私を何だと思ってんの」
  「・・・・・・カイ・・・」
(私は驚きのあまり、それを言うのがやっとだった。)
  「・・・ナルシア、あなたは私を捨てた、深い・・・暗い・・孤独の海へ私を放り込んだ。・・怖かったわ、・・とても。」
  (私をすごい顔で睨んでる・・・、あの頃の活発なカイじゃないみたい。)
  「ふふっ・・だからあなたもそうしてあげる。元は私もあなただもの。同じ苦しみを、孤独を味わいなさい。」
  「え?何をいうの・・・カイ・・・カイ??」
(私・・怖い・・・本当に、カイなのかしら?本当に、私を恨んでしまってるのかしら・・・。)
  ―…フッいいざまね。・・・さよなら、・・ナルシア…―
  「ま、まって!!カイ!・・キャッ!」
(気づいたときには、そこはさっきの場所よりも暗い場所に。周りには何もない・・・怖い・・・)
  私はカイに・・黄金の鍵の中に閉じ込められたのね・・・あ、゛光"が見える・・・ここは、海の中!・・どうしよう・・・
--- ポポロクロイス城 ---
  「・・・何だったんだろ?・・ナルシア・・・何かあったのかな・・・僕はやっぱり気になってしょうがないよ。手紙??うーん・・・」
  「(フフっ♪)こんにちはっピエトロ王子!」
  「うわぁ!あっその、こ、こここんにちは・・・・カイ?カイが何でここにっ・・ナルシア??」
  「ふぅ、ナルシアなら・・・もういないよ。」
  「いないって・・・カイ・・どういうこと?」
(なんだか本当のカイじゃないみたいで・・・寂しそうな顔・・)
  「ふふっ、ナルシアは私を捨てた。だから私が、今度はナルシアを暗い深い海の底へ捨てた。それだけよ。」
  「そ、それだけって、まさか!」
  「そうよ、ナルシアは黄金の鍵の中。でられるわけないのよ。」
  「カイ、ナルシアを元にもどすんだ!」
カイは何故そんな事をするのだろう?なんでそんな事をして、笑えるのだろうか?
  「嫌よ、何故そんな事しなきゃいけないの?私は私で生きていくのよ。あなたには分からないわ。真っ暗な闇の世界にいきなり放り込まれて・・とても、孤独だった。」
  (カイは隠してたけど、カイの頬に光るものが見えた。カイの声も、次第に震えていった。)
  「勝手に私を作って・・・自分に必要がなくなったらゴミのように捨てる・・・私には必要ない。私はいつまでもあなたに頼ってはいけない。じゃあ、私は?私の気持ちはどうなるの?私だって、ちゃんと・・・心が、感情があるのに・・・」
  (カイはまるで僕に怒るような顔で言った。でも、なぜか声は悲しい感じだ。)
「カイ・・・」
  「じゃあ、ナルシアは、どんな気持ちで君を捨てたのかな。本当に、カイが言ったようにゴミのように捨ててしまったのかな。僕は、そんなんじゃないと思うんだ。カイとナルシアはいつも一緒だったじゃないか。カイが笑えばナルシアも笑う、ナルシアが悲しめば、カイも悲しむ。カイがいるからナルシアがいる、ナルシアがいるから、カイがいるんだ。ナルシアがいなくても、カイがいなくても、それは、自分が自分でなくなっちゃうきがするんだ。僕には分からないけど、もう1度、今度はナルシアに聞いてご覧よ。」
(カイの役にたてたかどうかはわからなかったけど、それが僕の精一杯だった。)
  「ナルシアがいるから・・・私・・・ありがとう、ピエトロ王子。」
  (あいかわらず足が速いよ。でもなんだか僕まで悲しくなっちゃった。ナルシアがいってた手紙の主は、カイだったんだ・・・)
--- 港町パーセラ ---
  「はぁ・・・さむい・・・私、もうでられないのかな・・・とても暗い・・・。カイはどこに行っちゃったのかな・・・カイの事が気になる・・・。」
  ―・・・シア・・・・ナルシア・・・―
  「カイ!?」
  ―ナルシア、・・聞きたい事があるの。あなたは何故、私を捨てたの?―
  「カイ!それは・・・」
「それは・・・ガープがいったの、これから人間になるなら、もうその黄金の鍵は要らないだろう、必要ないだろう。それに、もしお前が人間になったら、黄金の鍵の中にある人格は、その時一緒に消えてしまう。そうならないように、海に捨ててしまえ。って・・・でも、私はためらった。それで、カイは喜ぶのか、それでいいのか。無責任な答えしか見つけられなかったけど。結局私は、ガープにだまされて・・・」
  ―ナルシア・・・―
  「でも、後になって後悔したわ、あなたと私はいつも一緒、たとえ人間になったって、消えるはずないって。私、カイがいなければ私じゃなくなっちゃうって、わかってたのに・・・」
  ―あなたって・・・いつもそうね。ふふふっ―
「しょうがない、許してあげる。あなたがいなければ、私でなくなっちゃう。その言葉、信じるよ・・・」
  カイはそういうと、自分の髪を縛っていた紫の布をほどいて私に手渡した。手にとると、昔の懐かしい感じがまた感じられたわ。
「カイ・・・えぇ、絶対、約束よ。」
私も、自分の頭につけていた帽子を渡した。私には、もう必要ないものだから・・・
  「ナルシア・・・さようなら、でも忘れないで。会おうと思えば、いつだって会えるんだから。私はいつでも、あなたとともにあるのよ・・・―」
  気が付くと、元の場所にもどってきていたの。パーセラはもう海は綺麗な茜色に染まっていたわ。
「えぇ、さようなら、カイ。」
--- ポポロクロイス城 ---
  綺麗なオカリナの音色・・・、きっと、あの人・・・
  「あ!ナルシア、おかえり。」
  「ただいま。ピエトロ・・・」
(なぜだろう?今朝あったばかりなのに、まるで何年もあってなかったかのような気分・・・)
--- ポポロクロイス城 ---
  「おや、お帰りナルシア。今日はいつになく遅かったねぇ。」
  「ギルダ姉さん。ただいま・・」
  「ん?どうかしたのかい?」
  「な、なんでもないのっ!」
  「んん〜?変な子だねぇ〜。」
  (帰って一目散に机へとむかった。そして、手に握り締めていた紫の布と手紙を見つめていたの、そしたら・・・)
「あら?手紙の内容がかわってる・・」
  ―…親愛なるパートナーへ
私はいつでも、あなたが忘れない限り、あなたのそばにいます。
by カイ
  私はその手紙を見つめて、おもわずないてしまいました。でも、悲しいからじゃないわ、だって、とっても幸せだもの・・・これは、きっと嬉し涙、嬉し涙なら、いくら泣いても・・・いいよね。
「おかえり、カイ・・・」
〜 fin 〜


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