ガミガミ☆シティトップ
/
ガミガミシアターのトップ
〜雪の降る道〜
2003年2月10日
著者:羅内リナ
イラスト:羅内リナ
◆登場人物◆
* ピエトロ *
14歳となったピエトロ。
城に引きこもって勉強の毎日。
* ナルシア *
15歳となったナルシア。
ピエトロと会えない日々に退屈している。
* ナレーション *
ごく普通のナレーション。
◆作品構成◆
第1話、第2話
第2話へ進む...
〜雪の降る道【第2話】〜
2003年2月10日
著者:羅内リナ
イラスト:羅内リナ
かけあしの泉を後に、ナルシアはホウキに飛び乗って森を出て行った。
ナルシアの指先、鼻や頬はピンク色に染まっている。
「寒い…マフラーとかしてくれば良かったかしら。」
今になって後悔するナルシア。
タキネン村は、久しぶりの雪におおはしゃぎする子供たちと、
雪で仕事が上手く進まない困った大人達の姿。
「私も、魔女じゃなければ…こうして、遊んでたのかなぁ。」
でも、怒りっぽいけど優しいギルダの事を思い出すと、
魔女でも良かったかな。と、思う。
魔女じゃなければ、ピエトロとの出会いはなかっただろうに―……
「あら?」
タキネン村をしばらくした所に、あるはずもない一つの足跡。
こんな寒い日に、外へ遠出する人はいるはずもない。
むしろ、出てはいけない。と、兵士が止めてしまう。
「私も、ホウキで飛べなかったら外に何か出れないわよね…」
ナルシアが、心の中でそう思った。
とりあえず、その足跡の元へと降りた。
足跡は、大きくも無ければ小さくも無い足跡。
その足跡の主が気になり、その先を行ってみることにした。
「それにしても、こんな寒い日に歩いて出るなんて…
物好きよね。と、言うか…どうやって兵士を突破してきたのかしら?」
ホウキを低くして飛びながら、思うことはそればかり。
「もしかしたら、人間型モンスターかしら…
いや、でも…ソレはありえないわよね。」
トンッ
何かにあたる音がした。
足跡しか見ず、前を見ていなかったナルシアは慌てて顔をあげる。
「あっ、あの、ごめんなさい。下しか見ていなかったから―…」
「あ、いや…大丈夫です。お怪我は…??」
「―…あっ!!!」
二人して、声をあげて驚く。
あたった相手は、なんとピエトロだった。
「ピッエ…トロ…」
「ひっ久しぶりだね。どう…したの?」
二人とも、もじもじと顔を紅くしながら会話をする。
「えっと…私は、久しぶりに雪がふって…
雪が綺麗だったから、ちょっと外に出たくなったの。」
「そうなんだ…僕もそうだよ。
お城で勉強の毎日で…退屈してて…」
「勉強…大変なのね。
ピエトロも…私も、ギルダ姉さんの仕事の手伝いがほとんどで…
暇があれば、新しい魔法とか覚えさせられるしね、いろいろと大変なの…」
少し間をあけて、二人は口をそろえて"ふふっ"と笑う。
「…ピエトロも同じなのね。」
「うん、そうみたい…ねぇ、少しいっしょに歩こう?」
こくん。と、ナルシアはうなづいた。
「ねぇ、ピエトロ。外出るときに、兵士さんに止められなかった?
こんな大雪の中を、人が歩いて出るなんて…
兵士さんが止めるハズだけど。」
「うーん…兵士さんはいたよ。
でも、どうしても外に出たかったから…塀をよじ登って、兵士を交わして来たんだ。」
さすが、ピエトロだ…と、ナルシアが呟いた。
少し会話が途絶える。
「あ……」
雪が少し止んできた。紙ふぶきみたいに、ゆっくりと…
ゆっくりと、綺麗に舞ってきている。
「何か、綺麗だね…」
「うん…太陽が出てれば、雪が反射して、もっと綺麗になりそうよね……」
雪に手を差し伸べる。
指先はまだピンク色に染まっている。
手袋をしているピエトロが、そっと、ナルシアの手を握った。
「……ピエトロ…?」
「…あの、手が紅くって、寒そうだから……
握っただけじゃ、暖かくなんないと思うけど…」
ピエトロの顔は、耳まで真っ赤に染まった。
ナルシアも、少し照れながら静かに笑った。
「ううん、暖かいわ。すっごく…」
「…良かった…あ…そろそろ、戻ろうか?」
「そっそうね。ギルダ姉さんも心配してるだろうし…」
そう思っていながらも、ピエトロに手を放してもらいたくなかった。
「…ナルシア?赤いよ?」
頬を赤く染めているナルシアに、手を伸ばすピエトロ。
頬にピエトロの手が触れると、ソレを拒絶するように下がった。
「あ…ごめんなさい。」
「……ギルダさんの手伝いしてて疲れたんじゃないの?
無理しないほうがいいよ……」
手が放れた。
「ぁ…」
さっきまでぬくもりが感じられていた手は、すぐに冷たくなった。
自分はどうしていたのだろう…ナルシアが思った。
「さ、早く帰ろう。」
ピエトロは寂しく笑う。
ナルシアが、その後をついていった。
雪は降りつづける。
紙ふぶきみたいに。
綺麗に舞う。
「…あの、有難う。此処から、自分で帰れるわ…」
「…そう?それじゃ…さよなら…」
あっけなく"さよなら"と、別れた。
何かを言わなくては…
「あっ…」
ピエトロは止まってくれない。
無理に、足早にその場を去っていっている。
「………さよなら。」
複雑な気持ちだ。
急に、頬に生ぬるいモノが流れた。
次、会うときに、どんな顔をすればいいのだろう。
〜 おわり 〜
※ 作品のご感想お待ちしております! →
ガミガミ掲示板
ガミガミ☆シティトップ
/
ガミガミシアターのトップ